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  • jkrueger36

Power Appsとは?できることや使い方の事例

Updated: Oct 5, 2022



PowerAppsは、マイクロソフトのビジネスアプリケーション作成ツールです。ベンダー企業やIT系のコンサルティング会社に依頼せずとも、可能な限りソースコードを書かずに迅速なアプリ作成ができます。


Forrester社の調査では、Power Appsの3年間のROIは188%、企業のアプリ作成コストは74%も削減できているという結果も出ており(詳細はマイクロソフト公式サイトを参照)、ここ数年で導入企業も増えてきています。

この記事では、Power Appsが生まれた背景やできること、使い方の事例についてご紹介します。

 

Power Appsが生まれた背景

 

Power Appsは、主に下記2つの観点で生まれたアプリケーション作成ツールです。


・アプリ作成期間の長期化に伴う業務要件との不整合解消

・複数アプリ乱立による煩雑な管理の解消


企業の業務に合わせたシステム開発やアプリ作成を行う場合、専門の開発ベンダーやIT系のコンサルティングファームなどに依頼することがありますが、この場合は要件定義や設計・テストを行い、本番環境でのリリースを行って初めて機能を使えます。


しかし、要件定義から実運用までの期間が長くなればなるほど、要件定義当初と業務要件が変わってしまい、本番運用が始まる頃にはニーズとマッチしない機能ができてしまいます。この場合は、柔軟にエンドユーザーから要件を吸い上げて仕様変更できるとは限らず、追加開発費用も膨れ上がるリスクがあります。結局エンドユーザーは、リアルタイムで抱えている業務では使いづらい機能を仕方なく使い続けることになり、利便性が向上しないままの状態になります。


そこで、こうした業務要件との不整合を解消するために、全社共通の基幹システムを導入し、基幹システムで担うことが難しい業務については、別のSaaS系システムやアプリを活用するなど、部分最適な追加開発や追加のアプリ作成が行われることもあります。このような場合は、IT部門が複数の機能を管理することになるため、管理工数が増えてしまい、ユーザーからも複数の機能がバラバラに見えて使い勝手が悪くなってしまう、という弊害が出てしまいます。


Power Appsは、このような課題を解決するために、ユーザーサイドで簡単にアプリを作成し、現場レベルでも業務効率化を実現できるように作られました。ちなみに、Power Apps単体の価格は計3つ用意されています(最新の情報はマイクロソフトの公式サイトをご確認ください)。


【サブスクリプションプラン】

・アプリごとのプラン:540円/月(一人当たり金額、1アプリのみ)

・ユーザーごとのプラン:2,170円/月(ユーザー当たり金額、アプリ無制限)

【従量課金プラン】

アプリごとのプラン:1,120円/月(アクティブユーザーごと)


これらの単独ライセンスに加えて、Microsoft 365やDynamics 365のプランにもPower Appsが含まれているものがあります。自社でMicrosoft 365やDynamics 365を使っている場合は、契約プランに含まれるかを確認してみてください。


なお、プランごとにPowerAppsで使える機能に差異があります。いずれのプランでも基本的な機能は利用可能ですが、細かい違いがありますので、詳細はマイクロソフト社の公式サイトをご参照ください。


 

Power Appsでできること

 

それでは、Power Appsでは具体的にどのようなことができるのでしょうか。以下簡単にご紹介します。


1. ウェブ上で簡単に業務アプリを作成できる

Power Appsはウェブ上で動作するツールなので、アプリ作成はウェブブラウザで完結できます。作成するときのOSはWindowsでもMacでも良いので、アプリ作成のための新たな環境を整備する必要はありません。普段の業務でも使うウェブブラウザでアプリが作れるのはメリットではないでしょうか。


2.短期間・低コストを実現できる

システム開発の場合は、少なくとも数か月単位の期間が必要です。社内のIT部門が行う場合は自社社員の稼働のみで済みますが、専門知識が豊富な外部企業に依頼する場合は、作成工数に加え管理工数もかかるので、コストは割高になります。

一方Power Appsの場合は、簡単な機能であれば数時間あるいは数日でアプリを作成できます。また、アプリを作ったあとも継続的な改善を自社の社員だけで気軽に行うことができます。


3. 高度な専門知識なしで作成できる

Power Apps はローコードのアプリなので、複雑なソースコードを書かなくても使うことができます。視覚的にわかりやすい操作性を実現しており、IT知識に富んでいなくても従業員が広く使用できる点が評価されています。Power PointやExcelを操作するような感覚で、WebやiOS、Androidデバイスで使えるアプリを作ることができます。Officeツールと同じように、PowerAppsでは数十種類のテンプレート機能が用意されているので、それらを使いながら、自社向けに修正を加えるだけで簡単なアプリが作れます。


4. Microsoftの他ツールと組み合わせて使える

PowerAppsでは、例えばPower Automateと組み合わせて使う機能もあります。Power AutomateはマイクロソフトのRPAツールですが、PowerAppsで作ったアプリで定型業務などを自動化する仕組みを作ることができます。

また、コネクタ機能を使用すれば、OutlookやSharePoint、Azureなどの複数のデータ元を一つのアプリ画面にまとめることも可能です。PowerAppsのコネクタは、Salesforceやkintoneなどの外部サービスとの連携でも利用できるので、社内に散在する他ツールの情報を一元化したい場合も役立ちます。


 

Power Appsの使い方事例

 

ここからは、Power Appsを使った業務効率化の事例をご紹介します。Power Appsは現場レベルでも業務効率化に使えるツールですが、よくある要望としては下記が挙げられます。


・アナログ業務をデジタル化したい

・複数のデータを一元管理したい

・定型業務を自動化したい


これらに当てはまる使い方をしている事例を3つご紹介します。


事例1.ヒースロー空港での事務処理削減とデジタル化

ヒースロー空港は、イギリスのロンドン西部にあるイギリス最大の空港です。ヒースロー空港では、8000万人以上の乗客の旅行ニーズに対応するため、毎日76,000人もの人々が勤務しています。この空港では計84か国200か所以上の目的地にサービスを提供しており、関連する業務も膨大であることから、この規模での業務効率化に課題がありました。


そこで、空港業務運用の一部をはじめとして、デジタル化の推進を行うことになりました。

ヒースロー空港ではMicrosoft 365の導入を進めていたことから、従業員主体でPower Appsの活用法を検討しました。業務効率化の対象となった業務はさまざまですが、その中でも空港の安全なエリアに到着した車両を記録するための車両セキュリティアプリを筆頭に、計30個のアプリが作成されました。


Power Appsによる車両セキュリティアプリだけでも、毎月約8,000〜10,000枚の紙を削減できるようになり、年間にすると950時間の労働時間と75,000枚の紙を減らすことが可能になりました。アプリによるデジタル化でデータ入力時間も削減され、空港業務のコスト削減が実現できた良い例になっています。



事例2.神戸市でのコロナ禍電話応対削減

神戸市は日本で7番目に大きい都市です。コロナウイルスの発生により、日本政府による給付金の申請方法や申請後のステータス確認、市民向けの補助金制度や各種支援プログラム等に関し、市民からの電話による問い合わせが激増しました。


その数は毎日40,000件にもなり、迅速な対応が必要なことをわかっていながらも、限られたリソースで業務が回らないことに課題がありました。そこで、神戸市は日本マイクロソフトと包括連携協定を締結したうえで、Power Appsを含むMicrosoft Power Platformを活用し、情報公開を中心とした新しいアプリを短期間で内製しました。


【参考記事】


神戸市では、外資系SIer出身者の入庁者を採用していたことから、アプリ作成に関する知見を活かし、1週間という短期間でFAQチャットボットや、各種申請状況を検索できるウェブサービスなどを構築しています。この結果、神戸市では通話量を90%も削減することができました。


なお、この神戸市によるウェブサービス構築の材料はオープンソースとして公開され、全国の自治体で利用できるようになっています。他の自治体でも活用できる基盤を作ったことは、今後の自治体でのDX推進にも役立つと考えられます。



事例3.IPSでの紙業務のデジタル化

Integrated Power Services(IPS)は、電気モーターをはじめとするエンジニアリング業界のリーダー企業です。機器の修理やメンテナンス、販売業務などを行い、顧客基盤は米国とカナダに広がっています。業務の中でも、機器の修理には多くの業務プロセスがあり、これらは紙で手動にて処理されていました。


<機器修理の業務プロセスの大まかな流れ>

機器の検査・分解

顧客への見積もり

修理または保守の実行

修理済みの機器の再組立て

最終テスト

顧客への発送


ERPシステムで資材や労働力は管理していたものの、業務プロセス改善には至っていなかったため、Power Appsを用いて顧客向け修理レポートのデジタル化を進めました。その結果、わずか6か月でERPシステムに依存せず、かつ複雑なコーディングも行うことなく、従来の紙媒体による業務から脱却できました。最終的には、業務効率と生産性が向上し、可視性が向上し、顧客の満足度も向上しました。



Power Appsは海外事例のほうが先行していますが、日本企業や地方自治体でも、これから業務効率化の選択肢として選ばれることが増えていくでしょう。人口減少に伴い、IT人材不足はこれからもより深刻化していきますが、簡単な操作で業務効率化を実現できるのであれば、現場レベルからDX推進を軸とした業務改革が進められる可能性があります。


株式会社ジェラルドでは、Power Appsを活用した業務効率化に関するご支援を行っていますので、お悩みの方はぜひ一度お問い合わせください。



 



<執筆者プロフィール>

執筆者:MMC Lab.茂木美早穂

総合系コンサルティングファームにて、システム導入プロジェクトPMO支援、官公庁・民間向け受託調査案件等に従事。現在はフリーのリサーチャー・ライターとしてさまざまな案件を担当しながら、上場企業のBtoBマーケターも担う。職業作曲家・アーティストとしての顔も持つ。

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